「何か、持たせてあげたい」
大切な家族との最後のお別れのとき、
そう思われるご家族さまはとても多くいらっしゃいます。
けれど同時に、
- 何を入れていいの?
- 棺はそのまま使える?
- フードは燃え残らない?
- 移動火葬だと制限がある?
と、不安を抱えながら決めていらっしゃいます。
私はペットメモリアル専門店で10年間、店頭に立ち、
数えきれないほどのご家族さまのお声を伺ってきました。
その中で強く感じているのは、
副葬品は「入れられるもの一覧」よりも
“確認できたかどうか”が後悔を減らす
ということです。
この記事では、
- 副葬品の基本的な考え方
- 入れられることが多いもの
- 入れられないことが多いもの(理由つき)
- 移動火葬と固定炉の違い
- 実際にあった後悔の声
- 終活としてできる準備
を、実際の現場エピソードとともに丁寧に解説します。
目次
火葬業者によって大きく変わります
まず知っておいていただきたいのは、
副葬品の可否は一律ではないということです。
火葬業者によって差があるのは事実ですが、
それは決して「理由なき制限」ではありません。
多くの場合は、
できるだけきれいにお骨を残すための配慮や、
安全に火葬を行うための判断によるものです。
そのため、入れてあげたいものがある場合は、
火葬業者へ必ず事前に確認することが大切です。
移動火葬の場合
- 炉が小型
- 燃焼効率が重視される
- 炉が小型なことから、棺が使えないことが多い
- 花や布の量に制限がある場合がある
固定炉(霊園・葬儀施設)の場合
- 炉が大きく比較的自由度がある
- ただし霊園ごとに規定が異なる
- 棺がNGのケースもある
実際に、
「桐製の立派な棺を準備したのに、そのまま火葬できなかった」
というご家族さまのお声も伺いました。
副葬品選びは、“気持ち”だけでなく
事前確認がとても重要です。
▶おすすめ記事
→「移動火葬のメリット・デメリットと選び方」
→「ペットの火葬前にできること・決めること」
入れられることが多いもの
※必ず火葬業者への事前確認を前提にしてください※
手紙・写真(紙製品)
紙製であれば問題ないことが多いです。
「手紙を書いて入れてあげたよ」
と、あたたかく話してくださるご家族も多くいらっしゃいます。
一方で、
「知っていたら書きたかった」
という後悔のお声もあります。
お花

「沢山入れて、お花畑みたいにしてあげたの」
そんなふうにお話くださる方も少なくありません。
量に決まりはありませんが、
あまりにも沢山だと制限される場合があります。
フード・おやつ(工夫が必要)
フードは入れられることが多いですが、
包装のままはNGな場合もあります。
これは、包装がプラスチック製の場合が多いからです。
実際に、
「フード自体はOKだったけど、包装のままはダメだった」
というケースもありました。
私自身の体験では、
- 紙皿
- 紙製のお弁当カップ
- 焼き菓子の紙型
を使って好物を入れて見送りました。

ウェットフードも入れやすく、素材問題も避けられます。
プラスチック製のものは火葬不可の場合がありますので、素材にご注意ください。
また、フードを大量に入れると炭のように残ることがあったので、
お身体のすぐ近くには置きすぎない方が安心かもしれません。
布製品
- 洋服
- ブランケット
- ぬいぐるみ
量が多いと灰が増える可能性があります。
こちらも業者へ確認を。
「家族の靴下が大好きだったから、一緒に入れてあげたの」
そんなお話を伺ったこともあります。
火葬可能な木製の数珠
ディアペットで扱う木製念珠(数珠)は、火葬可能商品です。
「火葬できる数珠はありますか?」
「手に持たせてあげたくて…」
というお問い合わせもいただきます。
副葬品としてお選びになる方もいらっしゃいます。

入れられないことが多いもの(理由)
- プラスチック
- 金属
- ガラス
- 電池入り製品
- アルミ包装
これらは、
- 火葬炉を傷つける可能性がある
- 爆発や溶解の危険がある
- 燃焼効率が下がる可能性がある
- 灰や燃え残りが増え、収骨に影響する場合がある
といった理由から、制限されることが多い素材です。
副葬品は「気持ち」だけでなく、素材確認がとても重要です。
実際にあった“後悔”の声
知らなかった後悔
- 副葬品を入れられると知らなかった
- 棺が使えないことを知らなかった
- 業者によって違うと知らなかった
「お店でペット用の棺をはじめて知った、知っていたら使ってあげたかった」
そんなお声も伺いました。
時間がなく準備できなかった
- 花を買いに行けなかった
- 好物を買いに行けなかった
- 手紙を書かなかった
副葬品は必須ではありません。
けれど、
「こんなことも、出来たんだ」と
後から知ると後悔につながることがある
それが現場で感じてきた現実です。
だからこそ、
うちの子セレモナビやコラムを通して
大事な子のお見送りについて知って欲しい。
そう願っています。
終活としてできること
終活中のご家族さまの中には、
- 何を副葬品として入れるか
- 何を遺品として残すか
を考えていらっしゃる方もいます。
副葬品は生前使っていたものや
好きだった食べ物を選ぶことが多いですが、
お見送りの準備として
- 火葬可能な数珠
- 足あとを残せるスタンプキット
- 旅立ちの準備が出来るエンゼルケアセット
などは事前準備も可能です。
▶おすすめ記事
→「ペットの火葬前にできること・決めること」
→ 「ペット火葬までのドライアイス保冷方法」
「ペットの火葬前にできること・決めること」では、
悔いのないお見送りになるようにと執筆したコラムです。
少しでもお役に立ちますよう祈っています。
最後に大切なこと
副葬品は、霊園や火葬業者によって判断が大きく異なります。
炉の大きさや設備、体格によっても変わります。
どうか、
「これくらいなら大丈夫だろう」と思わず、
事前に一度、火葬をお願いする業者へご相談ください。
確認することもまた、
大切な家族のためにできる、最後の思いやりのひとつです。
そして――
何を持たせてあげたかよりも、
どんな気持ちで見送ったか。
その想いこそが、
いちばん大切な贈り物だと、私は感じています。
たとえ副葬品を入れることが叶わなかったとしても、
どうかご自分を責めないでください。
何を持たせたかよりも、
どんな想いで見送ったかのほうが、ずっと大切です。
あなたが大切な子を想うその愛情こそが、
きっと何よりの贈り物です。
その想いを胸に、
旅立っていくのだと、私は信じています。
この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。

