
ペットを亡くされた方、あるいは大切な方がペットロスで苦しんでいる方へ。
きっと今、このページに辿りついてくださったということは、
深い悲しみの中にいらっしゃることとお察しします。
ペットとの別れのあと、心にはさまざまな感情が押し寄せます。
そんな悲しみには、実は”5段階のプロセス”があると言われています。
今日は、ペットロスを経験する中で誰もがたどるかもしれない、その心の変化についてお話しします。
目次
悲しみの5段階とは
この5段階は、ドイツの精神科医エリザベス・キューブラー・ロスが提唱したもの。
本来は”死を宣告された本人の心の動き”を示した理論ですが、
今では”大切な存在を失った人の悲嘆”にも広く用いられています。
今回は、ペットを亡くした方の気持ちに沿ってご紹介いたします。
【第1段階】否認と孤立

「まさか、うちの子が…」
「まだどこかに居るんじゃないか」
現実を受け入れられず、頭では理解していても心が追いつかない。
そんな時期です。
周囲と気持ちが合わず、孤独を感じてしまうことも。
【第2段階】怒り
「どうして、うちの子だけが…」
「私のせい? それとも病院のせい?」
悲しみの矛先が、自分自身や他者、運命などに向かう段階です。
理屈では整理できない感情があふれ出すかもしれません。
【第3段階】取引
「もしも戻れるなら…」
「どうか、あの子が戻ってきますように」
神さまや運命に対して願いや祈りを捧げる段階。
奇跡を信じ、現実から目をそらしたくなる気持ちも自然なことです。
【第4段階】抑うつ(落胆)

「もう何もする気が起きない」
「毎日がつらくて仕方ない」
絶望感に包まれ、深く沈んでしまう時期です。
未来が見えず、涙が止まらないこともあるでしょう。
ただ、この”抑うつ”の段階は、実は”受け入れ”への一歩手前。
少しずつ心の整理が始まっている証でもあります。
【第5段階】受容

「あの子の分まで、私もがんばって生きよう」
「今はお空で見守ってくれているかな」
悲しみを完全に忘れるわけではありませんが、 気持ちの整理がつき、
日常の中で笑顔を取り戻せるようになります。
思い出して涙することがあっても、それは愛の証です。
今この瞬間が、いちばんつらいあなたへ
「いつか悲しみは癒えるもの」
そう言われても、今この瞬間がとてもつらくて、そんな言葉が響かない時もあると思います。
でも、その”今の悲しみ”こそ、かけがえのない存在への”深い愛情”があるからこそ生まれたものです。
涙があふれることも、心が塞がることも、すべて愛があるから。
どうかその気持ちを否定せず、大切に抱きしめてあげてくださいね。
まとめ:今はつらくても、心は少しずつ癒えていきます
この”悲しみの5段階”は、順番通りに進むわけではなく、
行ったり来たりを繰り返すこともあれば、長くとどまる段階もあるでしょう。
でも、ひとつ言えるのは、 “抑うつのその先に、必ず”受容”がある”ということ。
あなたのペースで、あなたらしく、
大切な子を想いながら 少しずつ進んでいければ、それで十分です。
あの子がいた時間も、そして今のあなたの人生も、どちらもかけがえのない大切なもの。
たとえ今は涙が止まらなくても、
いつか笑顔で、優しい気持ちで、あの子を想い出せる日がきますように。

この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。