
大切なペットとの暮らしは、常に「いつか来る別れ」との隣り合わせです。
近年、ペットの平均寿命が延びる中で、多くの飼い主が「終活について考え始めるタイミングがわからない」と悩んでいます。
この記事では、獣医師やペットロスカウンセラーの意見を交えながら、具体的な準備時期と実践方法を解説します。
目次
終活を始めるベストタイミング
年齢別ガイドライン
- 小型犬・猫:7歳頃から
- 中型犬:6歳頃から
- 大型犬:5歳頃から
- うさぎ・ハムスター:3歳頃から
ペットの老化は人間の4倍の速度で進みます。シニア期に入る2年前から準備を始めるのが理想的です。
例えば平均寿命15歳の猫の場合、10歳を目安に終活を始めることが推奨されます。
早期準備がもたらす3つのメリット
- 突然の病気への対応力向上
かかりつけ医の選定やペット保険の見直しがスムーズに - 経済的負担の軽減
葬儀費用の相場調査(平均3-5万円)や医療費の積立が可能に - 心理的準備の時間確保
ペットロス症候群を抑える対策となります
具体的な準備チェックリスト
Step1:健康管理の基盤作り
(開始時期:シニア期の2年前)
- かかりつけ動物病院の選定
- 定期健康診断のスケジュール化
- 介護用品リストの作成
Step2:ライフスタイルの見直し
(開始時期:シニア期1年前)
- 段差のない住環境整備
- 消化吸収の良いフードへの切り替え
- 運動量の調整計画
Step3:緊急時の対応策
(開始時期:シニア期)
- 24時間対応可能な病院のリスト作成
- 緊急連絡先のスマホ登録
- 延命治療の方針決定
Step4:お別れの準備
(開始時期:要介護状態)
- 葬儀業者の比較(火葬・手元供養・霊園など)
- メモリアルグッズの選定
- 遺品整理の方法検討
Step5:飼い主の終活連動
(開始時期:随時)
- ペット信託制度の活用
- 後見人への引継ぎ文書作成
- 遺品の整理方法

よくある誤解Q&A
Q. 終活は元気な時にするべき?
→ 健康時の方が冷静な判断が可能
Q. 多頭飼いの場合の注意点は?
→ 個別のカルテ作成と相性管理が必須
Q. 費用の目安は?
→ 平均的な終活費用は5-10万円
失敗しない終活の極意
- 家族会議の定期開催(最低年1回)
- 専門家との連携(獣医師・葬儀社・弁護士)
- 柔軟な見直し体制(健康状態に応じて計画修正)
ペットの終活は「死の準備」ではなく「最期まで充実した時間を過ごすための設計図」です。
終活をした飼い主にお話を聞くとほとんどの方が「終活をしていてよかった」と回答しています。
今日から始められる小さな一歩が、明日の安心につながります。
愛するパートナーとの時間を最大限に輝かせるために、今こそ行動を始めましょう。

この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。