大切なペットとの別れは、私たちの心に深い傷を残します。
この悲しみは「ペットロス」と呼ばれ、多くの飼い主が経験する自然な感情です。ペットロスの過程には、一般的に5つの段階があると言われています。これらの段階を理解し、適切に対処することで、徐々に心の傷を癒していくことができます。
ペットロスの5つの段階
- 否認と孤立
最初の段階では、現実を受け入れることができず、「これは夢に違いない」と思ってしまいます。愛するペットがもういないという事実を否定し、孤独感に襲われることがあります。 - 怒り
次に、怒りの感情が湧き上がってきます。「なぜ私のペットが?」「もっと何かできたはずだ」といった思いが強くなります。 - 取引
この段階では、「もし〜だったら」という仮定の思考に陥ります。神様や運命と取引をしようとする心理が働きます。 - 抑うつ
現実を受け入れ始めると、深い悲しみと無力感に襲われます。日常生活に支障をきたすこともあります。 - 受容
最終的に、ペットとの別れを受け入れ、前を向いて生きていく力が湧いてきます。
ペットロス症候群とは
ペットロスの悲しみが長期化し、日常生活に支障をきたす状態を「ペットロス症候群」と呼びます。
症状には、不眠、食欲不振、集中力の低下、うつ状態などがあります。これらの症状が続く場合は、医療機関のサポートを受けることをおすすめします。
ペットロス症候群は決して珍しいものではありません。
むしろ、深い絆で結ばれていたペットとの別れに対する自然な反応だと言えます。しかし、症状が長期化する場合は、医療機関のサポートを受けることで、より健康的に悲しみを乗り越えることができます。
ペットロスから立ち直る方法
- 悲しみを受け入れる
感情を抑え込まずに、素直に表現することが大切です。泣きたいときは泣き、怒りたいときは怒ることで、徐々に心が癒されていきます。 - 思い出を大切にする
ペットとの楽しかった思い出を振り返ることで、感謝の気持ちが生まれます。写真アルバムを作ったり、思い出の品を飾ったりするのもよいでしょう。 - 周りの人と気持ちを共有する
家族や友人、同じ経験をした人と気持ちを分かち合うことで、孤独感が和らぎます。 - 新しい習慣を作る
ペットの世話に使っていた時間を、新しい趣味や活動に充てることで、少しずつ前を向くことができます。 - 専門家のサポートを受ける
悲しみが長引く場合は、心療内科やカウンセラーを訪れることをおすすめします。
最後に
ペットロスの悲しみは、一人ひとり異なります。
自分のペースで、そして自分に合った方法で乗り越えていくことが大切です。悲しみの過程を理解し、適切なサポートを受けることで、やがて心の傷は癒され、愛するペットとの素晴らしい思い出とともに、新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。
この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。