
大切な家族であるペットが旅立ったあと、火葬を終えてからもその遺骨を自宅に安置し、そばで供養を続けている方は少なくありません。
しかし、「このままずっと家に置いていても大丈夫なの?」「法律的に問題はないの?」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、ペットの遺骨を家に置くことの法律的な問題や、正しい保管方法、そして将来的な納骨の選択肢についても解説します。
自宅に遺骨を置いても違法ではない?
まず、法律の観点から確認しておきましょう。
人の遺骨に関しては「墓地・埋葬等に関する法律」により、埋葬場所には制限があるものの、「埋葬しなければならない」という決まりはありません。
最近では、人でもミニ骨壷などを使って自宅で遺骨を供養する「手元供養」が一般的になってきています。
ペットの遺骨についても同様で、自宅で供養することは違法ではありません。
大切な存在を近くに置いておきたいと思うのは、自然な感情です。
自宅での保管時に気をつけたいポイント
違法ではないとはいえ、遺骨を自宅で保管する場合はいくつかの注意点があります。

骨壷の転倒・破損に注意
骨壷の多くは、ふたがかぶせるタイプになっています。地震や衝撃で倒れてしまうと、ふたが外れてしまう可能性も。
専用の骨袋やカバーに入れて保護しておくと安心です。
カビや湿気への対策
基本的に遺骨は高温で焼かれており、水分や有機物はほとんど残っていません。
そのため、カビが生える心配は少ないですが、高温多湿の場所を避けて安置することが大切です。
必要以上に心配する必要はありませんが、溶岩石などの自然素材を使った除湿グッズをお守り代わりに入れておくのも良いでしょう。
いつかは訪れる「その日」のことも考えて

今は手元で供養をしたいと思っていても、いずれは自身も旅立つ日が来ます。
その時に遺骨をどうするのか、今のうちに少しずつ考えておくと、将来の不安を減らすことができます。
埋葬先としては、お墓や納骨堂、樹木葬、海洋散骨など多くの選択肢があります。
焦る必要はありませんが、「いつかの日」の準備も、供養のひとつといえるかもしれません。
まとめ

ペットの遺骨を自宅に置いて供養することは、法律上問題ありません。
大切なのは、心の中でその子を想い、そばにいてくれることを感じながら日々を過ごすことです。
心が落ち着くまでは無理に手放さず、安心できる環境でゆっくり供養を続けていきましょう。
そして、いつか心の整理がついたときには、納骨という選択肢も思い出してあげてくださいね。

この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。