
これは、大切なあの子を想う家族の物語。
あの子の生きた証と、胸いっぱいの想いを、
ひとつのジュエリーに託したお話です。
目次
あの子を見送ったあと
あの子をお空に見送ってから、時間が動かなくなった。
一日の過ごし方がわからない。
“普段通り”の“普段”が、
あの子がいて初めて成立する。
そんな生活をずっと送ってきたのだから。

静まり返った部屋で、無意識に名前を呼んでしまう。
つい姿を探すクセが抜けなくて、
一緒にいた時間がどれだけ私の一部だったかを思い知らされた。
「心に穴が空いたよう」
そんな言葉があるけれど、
あれは本当のことなんだなと痛感した。
いつもそばにいてくれたあの子の存在を、
生前以上に大きく感じていた。
もう、姿はそこにないのに。
遺骨ジュエリーを知った日
ある日、遺骨ジュエリーのことを知った。
「少しのお骨を納めて、身につけられるジュエリーがあるんだ。」
はじめて見た遺骨ジュエリーはきらきらしていて、
まるで生前のあの子と過ごした日々のようだった。
「ああ、あの子みたい」
自然とそう思えた。

初めてあの子の遺骨を見たのは、
お骨拾いのとき。
今も鮮明に覚えている。
火葬の後、ふわふわの姿からお骨に姿を変えたあの子。
なかなか受け入れられない気持ちと、
それでも旅立ちを心が受け止めようとする感覚が交錯していた。
あの白くて小さなあの子のかけらが、遺骨ジュエリーになる。
私にとって光のようなあの子の存在が、
目に見えてまた輝きだすように思えた。
遺骨ジュエリーは、大切な家族の存在を
日常の中でそばに感じられる、新しい供養のかたち。
悲しみの中にあっても、
その輝きを目にして触れるたびに、
「ありがとう」
「大好き」
という想いを伝えられる方法のひとつだと感じた。
そしてそれは、仏壇やお墓での供養と同じように、
愛するあの子を想う大切な供養方法のひとつなのだと思った。
骨壷を開ける瞬間
あの子のお骨を見るのは、
お骨拾いをして以来だった。
遺骨ジュエリーを作るために、
緊張しながら骨壷の蓋をそっと持ち上げた。
泣いてしまうかもしれないと思っていたけれど、
こぼれたのは悲しみの涙ではなく、愛しさの涙だった。
白くて、きれいで、かわいくて。
お骨になっても、あの子はやっぱりかわいかった。

あの子を亡くして悲しいのに、
こうしてお骨を見つめ、遺骨ジュエリーに納めようと考えるたびに、
「私の心の中で生き続けているんだ」と思えた。
まるであの子が、
心を優しく撫でてくれているように感じた。
いつも私のことを大好きでいてくれたあの子。
「ママ、大丈夫?」
何かあったら、手や顔をぺろぺろ舐めてくれたよね。
あの子の存在の優しさ、あたたかさは、
今も変わらず胸の中に宿っている。
あの子への想いを、何か供養のかたちにしたくて、
色んなことで悩んできた。
遺骨ジュエリーも、そのひとつ。
こうしてあの子を想いながら
ひとつひとつ供養のかたちを見つけて
日々を重ねていくこと。
それ自体が心の癒しにつながっているように感じた。
オーダーの時間
ほんの少しのお骨を手に取り、
遺骨ジュエリーをオーダーすることにした。
足を運べる場所に実店舗があったから、
不安な気持ちも抱えながら、勇気を出して訪れてみた。
お店には、たくさんの遺骨ジュエリーのサンプルが並んでいて、
どれもが想いのかたちをしているように思えた。
「私も、大事な子をお空へ見送ったんです」
接客してくれたスタッフも、同じ想いを抱えていた。
想い出話をしながら、サンプルを手に取る。
まさか、あの子のことをこうして笑顔で話せるなんて思っていなかった。
涙まじりではあったけれど、
あたたかな気持ちで過ごすことができた。
どれがあの子らしいかな。
ねえ、きみはどれがいい?
心の中で話しかけながら、
デザインに悩み、刻印に悩んだ。
でも、その時間さえも、
あの子と会話しているようで嬉しかった。
「リングの内側に誕生石を入れられますよ」
そう聞いて、迷わずあの子の誕生石をお願いした。

遺骨ジュエリーのオーダーは、
単にアクセサリーを作ることではない。
大切なあの子への想いを、
世界にひとつのかたちに変える大切な時間だと思った。
ひとつひとつ悩み、選び、決めていく。
その過程さえも、
あの子と一緒に歩んでいるように感じられた。
ジュエリーが届いた日
ジュエリーが届いた日は、胸が高鳴った。
小さな箱を開けると、
そこにはきらきらと輝く遺骨ジュエリー。
光の中に浮かぶその姿に、
あの子の笑顔が重なった。
「おかえりなさい」
そう、自然と口にしていた。
あの日と同じように、
あの子は私の隣にいる気がした。

そっと、遺骨ジュエリーを身につけてみる。
あの子への想いがあふれて、
あたたかな涙がこぼれた。
この輝きを目にするたびに、
「ありがとう」
「大好き」
そんな想いが、
自然と胸にこみ上げてくる。
あの子の遺骨ジュエリーと一緒なら、
これからも歩んでいける。
止まった時間が、
また動き出したように思えた。
悩む時間は、あの子と対話する時間
思えば、あの子のことで悩む時間は、
あの子が心の真ん中にいる時間だった。
「ねえ、どれがいいかな?」
「きみと一緒にいたくて、
遺骨ジュエリーをオーダーしたよ。
喜んでくれるかな?」
あの子と対話しながら、
一つひとつを決めていくようで。
まだ悲しみは心の中にあって、
寂しいし切ないのに、
不思議と心があたたかくなる。
「ありがとう」
「大好きだよ」
そんな想いが、
あの子を想い悩む時間にも
伝わっている気がした。
そして、その想いを
遺骨ジュエリーに込めることで、
より深く、日常の中であの子を感じられる。
悲しみの中にいても、
あの子を想う時間は確かに
癒しに変わっていった。

これからも一緒に
これからも、一緒に歩いていこう。
同じ空の下、
同じ景色を見て、
同じ道を歩いたあの頃のように。
姿は見えなくても、
私の心にはいつだってあの子がいる。
その想いを込めた遺骨ジュエリーとともに、
これからもずっと。
あの子を想いながら、
私の時間は続いていく。
私のすぐそばで、
これからも輝いていてね。
ずっと、ずっと愛しているよ。

🌈 あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
大切な存在を想うお気持ちは、かたちや言葉が違っても、
きっとどなたにも共通してあるものだと感じています。
ディアペットは、そのお気持ちに少しでも寄り添える存在でありたいと願っております。
※本記事のエピソードはフィクションですが、
綴った想いは私たちが大切にしている気持ちそのものです。
オンラインショップ&実店舗
ディアペット各店舗(東京・埼玉・名古屋・大阪)にて、遺骨ジュエリーを実際に手に取ってご覧いただけます。
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この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。