
“うちの子の旅立ち”
考えるだけでも胸が苦しくなるような、寂しいお別れの時。
今まさに大切なわが子の見送りに際し、
こちらのページにたどり着かれた方もいらっしゃるかもしれません。
火葬の準備、業者選び、そしてその後のご供養のこと。
大切なうちの子を見送るにあたって、
「家族として、なにを決めたらいいのか」
「なにをしてあげられるのか」
たった一度きりのお見送りだからこそ、後悔のないように…
この記事では、 火葬の前に“決めること”と“してあげられること”について、
やさしく丁寧にお話してまいります。
目次
まずは、ゆっくりと心を整えて
「すぐに火葬してあげないといけないのでは…?」
そんなふうに思われる方もいらっしゃいますが、
私たちディアペットとしては、
人と同じように、一晩以上そばで過ごしてあげてほしいと考えています。
お体をやさしく整えてあげたり、なでてあげたり、
愛らしいお顔にそっと触れたり…
お姿があるうちにしかできないことが、たくさんあるのです。
また、あわてて業者を探したり、深い悲しみの中では
十分なお見送りができないこともあるかもしれません。
大切な子との最期のお時間を、 どうかご自身のペースで大切にお過ごしくださいね。
火葬の前に「決めること」
1. お骨をどうするか
火葬後には、ペットちゃんの生きた証としてお骨が残ります。
そのお骨をおうちに連れて帰ってご供養するのか、
火葬業者にそのまま納骨や供養をお願いするのか、
ご家族でお考えいただく必要があります。
「どうしたらいいのか、今はまだ決められない…」
そんな時には、いったんお骨をご自宅にお連れいただき、
“手元供養”という形でゆっくりと考えていただいても大丈夫です。

最近では、 おうちでそっと手を合わせられるよう、
ペット仏壇や骨壷を納められる供養スペースを整える方も増えてきました。
お骨のご供養には様々な形があります。
- おうちでの手元供養
- 納骨堂や霊園での納骨
- 粉骨後に樹木葬や海洋散骨 など
時が経つ中で気持ちが変わることもあるでしょう。
その時々のご家族のお気持ちが、なにより大切です。
2. ペット火葬業者を選ぶ
今では、様々なタイプの火葬サービスがあります。
- 移動火葬車でご自宅へ来てくれるサービス
- 施設での火葬や葬儀を行ってくれる業者
- 引き取り火葬(お骨を戻さないプラン)など
その中で、よく見かける言葉が 「個別火葬」と「合同火葬」。
- 個別火葬 … うちの子だけを火葬し、お骨を拾えるプラン
- 合同火葬 … 他の子と一緒に火葬するため、返骨不可
「お骨を拾いたい」「おうちに連れて帰って供養したい」 というご希望がある場合は、
個別火葬を選んでくださいね。
また、火葬の前に確認しておくと安心なポイントもあります。
- 準備した箱やお布団のまま火葬できる?
- 好きだったおやつやおもちゃは一緒に入れられる?
- お骨拾いはできる?どこまでお骨をもらえる?
- そのまま納骨もお願いできる?
分からないことがあれば、無理に決めず、
ペット火葬業者へ遠慮なく相談してみてください。
火葬の前に「出来ること」
3. 副葬品をそえてあげる
お見送りのときに、ペットちゃんと一緒に火葬する品物のことを副葬品(ふくそうひん)といいます。

おやつ、おもちゃ、洋服、愛用していたタオルなど…
「うちの子らしいな」と思うものがあれば、 そっと持たせてあげたくなりますよね。
ただし、素材や量によって火葬できないものもあります。
特にプラスチック製品や金属類は不可の場合が多いですので、
事前に火葬業者さんに確認されると安心です。
中には、紙製のお弁当箱に好物を詰めて「お弁当」をつくってあげた方も。
やさしいアイデアに心があたたかくなりますね。
4. 生きた証を残してあげる
うちの子のふわふわの毛、足あと、小さな爪…
火葬後には残すことのできないものだからこそ、
生きた証として手元に残しておくご家族さまも多くいらっしゃいます。
「どこの毛を残せばいいの?」と迷われる場合は、
耳の後ろや首もとなど、やわらかくてきれいな部分の毛を少し分けてあげると良いでしょう。

ご供養用のカプセルやケースは後からゆっくり選べます。
まずは小袋やティッシュにくるんでおいてあげても大丈夫です。
お骨をカプセルへ納めるご予定がある場合は、
火葬後のお骨拾いのときに、小さなお骨を少しだけ分けておくと、
あとで骨壷を開けずに済むのでおすすめです。
直接触れる際は、皮脂がカビの原因になることもあるため、
手袋やピンセットを使って優しく扱ってあげてくださいね。
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最後に ~心を込めてお見送りを~
「こうしてあげたかった」 「もっと知っていれば…」
ペットちゃんとのお別れのあとで、 そんなふうに感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、“今できること”を、ひとつずつ心をこめてしてあげることが、何よりのご供養です。

そしてその想いは、きっとお空の子にも届いていると、私たちは信じています。
どうか、後悔が少しでも少なくなるように、 そして安心してお見送りできるように、
この記事がそっとお力になれますように。

この記事を書いた人
荒木 奈緒美
愛猫を亡くしペットロスを経験、うちの子に導かれるようにディアペットへ入社。
店舗スタッフを経験し、ディアペット大阪・名古屋店長へ。
動物葬祭ディレクター1級、愛玩動物飼養管理士2級保有。